わたしって根が善人なので、守る気のない約束にはいちいち傷つくし、人を騙そうという悪意にも傷つく。ましてや、その矛先がわたしに向けられていなくたって、ちゃんと傷つくことができる。ちゃんと?
そんなわたしの弱メンタルを滅多打ちにしてくるのが、悪人がバカを食い物にする修羅の国、ツイッターです。
最近多くないですか?
「コロナの影響でお金に困っている方かなり多いと思います」
「フォロー、RTした人全員に10万円ずつ振り込みます」
という文言のツイート。
締めくくりの言葉は「これは強制です。嫌でも受け取らせます」という場合もあれば、「もし良ければどうぞ!」なんて無駄に爽やかなパターンも。
いずれの投稿も一貫して伝えているのは、フォローとリツイートをしたユーザー全員に10万円を振り込んでくれるということです。
親指をポチポチと動かすだけで10万円がもらえるなら非常に優しい世界ですが、残念ながら、それはここじゃない世界線の話。
もしかしたらもらえるかも…と淡い期待を胸に、フォローやリツイート、果ては律儀にコメントまでしてしまった方に向けて、10万円プレゼント企画のカラクリを説明したいと思います。
現金10万円プレゼント企画のカラクリ
「フォロー、RTした人全員に10万円ずつ振り込みます」というツイートが横行する理由は、大きく分けて3つです。
アカウントが売れるから
1つ目は、フォロワーの多いアカウントは売却することができるから。
現在は閉鎖してしまったものの、10万フォロワーのツイッターアカウントを20万円で販売するサイトがあったことから、アカウント売買の相場は1フォロワーにつき2円前後ではないかと思われます。
アクティブな日本人フォロワーが多いアカウントなら、もっと高値で売れるのかもね。フォロワー10人を2500円で売ってるサイトもあったし。
もちろん、twitter社はアカウントやフォロワーの売買行為は規約違反としていますが。
情報商材が売れるから
2つ目は、情報商材の販売目的。
フォロワーを得たアカウントで商材を宣伝する方法に加えて、10万円プレゼントを信じてフォローやリツイートした人にDMを送って、サイトやLINEに誘導するやり方もあります。
大半のフォロワーはこの時点で離脱していくと思うのですが、100件アタックしたら5件は成約になるという営業ルールにのっとれば、1万フォロワーに送れば500人は商材を買ってくれることに。
文面はコピペで送りまくるだけだし、あながち、効率が悪い手法ではないのかもしれません。
個人情報が売れるから
そして最後は、個人情報リストの売買。
「10万円を振り込みますので、名前とメールアドレス、携帯電話、口座番号を教えてください」
なんてDMをすれば、あっという間に個人情報リストのできあがりです。
しかも、ただの個人情報リストじゃなくて、「騙されやすいバカのリスト」として1人あたり100円で売られていく有様。
スパムが次々届くようになることは、言うまでもありません。
10万円は振り込まれるのか
振り込まれるわけねえだろ。
意図的かどうかはわからないけれど、ツイート主も「◯日までに振り込む」とは言っていないのが、またずる賢いというか何というか。
いくらコロナで大変だからといって、何の見返りもなく見知らぬ人に大金を渡す人と出会える確率は、ゼロじゃないけど、宝くじの当選確率くらい低い。
少なくとも、んな人、ツイッターにゴロゴロいるわけがない。
ゾゾの前澤さんたちは、売名や宣伝も兼ねて現金ばらまき企画をしてるし、信用を失うわけにはいかないから本当に振り込んでくれるんです。
でも、匿名アカウントで嘘をついても、その人が失うものなんて何もない。なので彼らは平気で嘘をつくし、リツイートが回ってくるたび、わたしの心は傷つく一方…
淡い期待を抱いてフォローやリツイートをした人は、これを機にしっかりと現実を見てほしいですが、絶対振り込まれる!と信じて疑わなかった人は、いっそそのまま生きていってください。
騙されたことに気づかなければ騙されたことにならないかもしれないし。
と騙して締める。ではまた。