風俗嬢は世界最古の職業ってよく言うけど誰も元ネタ知らなくない?

風俗嬢について紹介するときに、たびたび用いられる「風俗嬢は世界最古の職業」という言葉。

なんだか納得感もあるし、へー、そうなんだ〜程度にしかわたしも思っていなかったのですが、今日このツイートを見て思ったのです。

たしかに、よく聞く割には、誰も元ネタ知らなくないか?と。

なにかと情報過多な世の中では、わかりやすくて耳障りのいい情報ばかりを信じてしまいそうになりますが、ソース、つまり情報元も知らないで安易に情報を広げてしまうのは避けたいところ。

人類は、不安なときの行動力だけはバカ素晴らしい生物なので、オイルショック時のデマによるトイレットペーパー買い占め騒動や、ただの世間話が大パニックを引き起こした豊川信用金庫事件のようなケースに発展してしまうのです。

豊川信用金庫事件についてのwikipediaは、wiki版の世にも奇妙な物語なので、必読。

wiki文学楽しいよね〜永遠に読める〜

なんて、安易な娯楽に流されて調べたかった情報にたどり着かないどころか、ブラウザを開いた本来の目的すら忘れてしまいがちなのも、この情報過多時代における人類の動向の特徴です。

何の話でしたっけ?

「風俗嬢は世界最古の職業」の元ネタか。

忘れる前に、インターネッツで調べられる範囲でまとめてみました。どうぞ。

元ネタは紀元前5世紀に書かれた『歴史』

さかのぼること紀元前5世紀、つまりイエス・キリストが生まれる500年ほど前のこと。

古代ギリシアにいたヘロドトスという人が、『歴史』という本を書きました。たぶんパピルスとかに。

『歴史』は、ペルシア戦争を主題に、古代オリエント世界の風習や言い伝えなどを記した本。

幼卒の皆さんは「古代…?オリエント世界…??」ってなってると思うけど、万が一あなたが高卒以上であれば、たぶん世界史Bで習ってるはず。テストに出ました。わたしはまったく覚えてない。

それでも「エジプトはナイルのたまもの」ってフレーズくらいは、遠い昔に聞いた記憶はありませんか?それも『歴史』に書かれてる一節。

あとは、童話で有名なイソップが、奴隷の地位だったこととかも書かれているらしい。

ヘロドトスの歴史
wikipedia「ヘロドトス」より

ヘロドトスの『歴史』は、本の形として残っている歴史書としては最古のもので、つまり『歴史』に書かれている史実が人類最古の歴史ということになる。

本だけで言えば旧約聖書のほうが俄然古いけど、あれは人間より神々が主体のお話だから、人間について触れた歴史書は、やっぱり『歴史』が最古の本。

だから、ヘロドトスがいなかったら紀元前のことはわからなかったし、世界史の授業はもうちょっと楽になってた。

ただ、『歴史』は、調査を重ねた事実のみが書かれた本というよりも、「なんかこんな話聞いたわ」程度の記述も大いにあるらしい。

それでも、貴重な歴史書であることには違いないから、ヘロドトスは「歴史の父」って呼ばれてる。

神殿娼婦という存在

そんなヘロドトスの『歴史』に書かれているのが、神殿娼婦(神聖娼婦)という存在。

当時は穀物育ててなんぼの世界だったし、豊作のためには神頼みだって何だってしてた。

で、「大地の母」と呼ばれる神、アフロディーテにお祈りするのが手っ取り早いんじゃないかということに。「歴史の父」の次は「大地の母」です。

アフロディーテは女性の神様だったから、女性の生殖力を通してアフロディーテの祝福を受けようということになったらしく、神殿で性交が行われるようになったそうです。

それだけ聞くと「巫女さん的な選ばれし人が、さぞかし厳かな雰囲気でセックスしてたのかなぁ」って考えるじゃないですか。

それが実は、どうやらそうでもないらしい。

ヘロドトスの『歴史』によると、バビロンの女性は、生涯で一度は神殿で売春をしなければいけない決まりになっていて、しかも、その対価は神殿に収めなければならなかったとのこと。

つまり、女性はみんな神殿で売春をしている地域があったわけです。

ソープ「神殿」、驚異のバック率0%。

これにはヘロドトスも激おこで、「バビロン人の風習の中で最も破廉恥なもの」といったことを『歴史』に記しています。

もしかすると、こういった「お祈り」が行われるようになった当初は、金銭の受け渡しなどはなしに、もっと儀式的かつ神聖な行為だったのかもしれません。

けれど、だんだんと「お祈り」が俗的になってしまった。

ヘロドトスも、おそらく女性の扱いを嘆いて怒ったわけではなくて、聖に俗を持ち込んだことに対して怒りを示したのでしょう。

ヘロドトスが『歴史』に記したあたりから、「ていうか普通に考えたら神殿でセックスとかありえなくない?」と世の人々がようやく気づき、やがて売春は不潔極まりないものとされていきました。

こうして、聖なる職だった娼婦は、いつしか虐げられる存在となっていったのです。すこぶる勝手な話ですね。

でも歴史おもしろ。もっとちゃんと勉強しておけばよかった。

世界最古の本に書かれてはいるが

ここまで読んでお気づきかもしれませんが、別にヘロドトスは「娼婦は世界最古の職だよ」なんてことは、『歴史』のどこにも記していないのです。

何だったら、ヘロドトスと同時期か少し遅いくらいの時代に、ギリシャの哲学者プラトンが「助産婦が世界最古の職業」的なことを言ったりしてるので、そっちの説のほうが有力。

ただ、神殿娼婦の存在は、『歴史』のみならず旧約聖書にも書かれているので、「風俗嬢は世界最古の職業」という言葉は、厳密には「風俗嬢は世界最古の書物に登場する職業」という表現が正しいのではないでしょうか。

なお、ソース

「風俗嬢は世界最古の職業」の考察、いかがでしたか?

ちなみに、この記事を書くにあたって参考にした情報は、全部ネットで拾ってきた情報です。

一応、20ほどのページは読んだけれど、もっと正式な文献なら腐るほどあるでしょう。

あくまで一個人の説として、娯楽程度に留めて楽しんでいただけたなら幸いです。

それでは、古代世界史のお勉強もしたところで、わたしは2chまとめサイトで何の為にもならないおもしろ記事を探す旅に出るので、ごきげんよう。

ではまた。

 



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