成人女性の20人に1人は風俗嬢だというのに、未だどこか他人事、ともすれば別の生き物とまでに思われがちな現代日本のUMA、風俗嬢。
けれど、ツチノコの正体がオオアオジタトカゲだったように、もちろん風俗嬢もなんのことはない人間です。
人間だから、性格や容姿も十人十色。強いて言うなら、金・時間・男にだらしない人が多いような気はするけれど、そのへんだって本当に人それぞれ。
世の中には、清楚ビッチもいれば、処女のギャルも、インスタに興味のないJDもいますよね?それと一緒で、真面目な風俗嬢だって当然のように存在しているのです。
ホストだって行く人は行くけど、行かない人はまったく行かない。パチカスもいれば、奨学金返済のために働いてる子だっている。
それなのに風俗嬢、十把一絡げに「普通じゃない」って思われすぎじゃないですか?
風俗嬢は「普通」じゃない?
風俗嬢は普通じゃないのか。そもそも普通とは何なのか。
今ググったら、普通とは、
いつ、どこにでもあるような、ありふれたものであること。他と特に異なる性質を持ってはいないさま。
ということなのだそう。
「他」という言葉は「大多数」といった意味合いに捉えて問題ないでしょう。
たしかに、20人に1人だけと考えたら風俗嬢はマイノリティかもしれないけれど、その概念が適用されるなら、看護師だって保育士だってCAだってマイノリティ。
看護師は全国に115万人、保育士が40万人、CAに限っては2万人以下、そう考えたら全国に30万人はいると言われる風俗嬢の存在だって、そう珍しいものではないはず。
いや、わかりますよ。数を持ち出して屁理屈言ったね。
そういうことじゃないんだよね。
体を売ることが普通じゃない、のは普通
昔会った人でデッサンのヌードモデルをしている男性がいて、わたしはかっこいいなとしか思わなかったけど、話を聞くと、どうやら世間の風当たりは強いらしい。
人前で脱ぐこと、ひいては体を商売道具にするという発想や行為に抵抗がある人は、少なくないのが現実だ。
でもそれは、ある程度は仕方ないんじゃないかって、わたしは思う。
たとえば若者の安易な性行為や妊娠中絶が問題になったり、コミュニケーションとしてのセックスをふしだらに感じる人も一定数いるけれど、子孫繁栄を揺るがしかねない事象に対して、人は本能的に反応してしまう生物なんじゃないだろうか。
産めないセックスに意味はない。そして人間は多産の生物ではないから、誰彼問わずヤリまくって産みまくることはできない。
そのヤリまくりを防止するために、わたしたちには、体を見せることに対して「恥ずかしさ」を感じる機能がついているんだと思う。
なのに、ヌードモデルや風俗嬢は、禁忌を破ったあげく金までもらっているのだから、どうしたって生物的にはマイノリティになってしまうのだ。
そういう意味で「普通じゃない」と捉えられること自体は、さっきも言ったけど仕方ない。無理なものは無理。わたしも横柄な人とか無理だし、好きになれる気もしないし。
あと、「ヌードモデルや風俗嬢」ってまとめちゃったけど、ヌードモデルだって風俗嬢と一緒にされたくないという人もいるだろうし、それも個人の考えだから、わたしは何も思わない。
風俗嬢は普通じゃないから何をしてもいいのか
ただ、認めないことと、だから何をしてもいいということは、絶対的に違う。
この人は普通じゃない、つまり普通である自分とは違うという考えは、時に相手から人権を奪う。その思想が行き着く先は、いじめや暴行、虐殺だ。
「普通である自分とは違う」じゃなくてさ、「自分とは違う」でいいじゃないですか。あなたはそう、わたしはこう。それでよくない?シンプルにいこ。
改めて思う。「みんなちがって、みんないい」という言葉を100年近くも前に残した相田みつをは、まじで偉大。
と思ったら、これ相田みつをさんじゃなかった、金子みすゞさんでした。今知った。幼卒だから。失敬しました。
本当は「普通」なんてない
ここまで言っておいて何だけど、風俗嬢は普通じゃないということを前提にした風俗やプレイは、世の中にたくさん存在する。
風俗で言えば「レベルの低さ日本一の風俗」で有名なデッドボールとか、女の子が無反応あるいは指示通りに徹するロボットデリヘルとかがそうだし、プレイで言えば、即尺イラマチオ口内発射とか?
いや、いいんですよ。それで稼いでる子だっているし。恋人や奥さん相手にはできないことができるのが風俗の醍醐味、と言ってしまえばそれまでの話。
だけど、あなたがどこかの風俗嬢相手にしたことは、あなたの恋人や奥さん、娘さんが、どこかの誰かに同じことをされると思ったほうがいい。
だって、風俗嬢は生物的にはマイノリティかもしれないけれど、数で言えば、決して少なくなんかない。さらにはパパ活や援デリだってあるし、男性客はあなたみたいな人がいっぱい。
そんな中で、自分だけが普通だから関係ないなんて、おかしな話でしょう。
そう思いませんか?
ごめんね、なんか疲れてるかも。ではまた。